フリーランスというと、アナウンサーが独立してあちこちの番組に引っ張りだこで、年収も倍以上を稼ぎ出すといった、華やかな話が思い浮かびます。もちろんフリーランスは、会社勤めのように決まった給料を毎月受け取ることが出来たり、あるいはそれなりの役職や地位に就くことによって自ずと年収が上がったり、そもそも手厚い福利厚生があったりという恵まれた環境ではありません。その一方で実力次第でどんどん評価は上がり、仕事の選択も自分次第という、自己責任と共に自由をも手に入れることが出来るのです。
これがフリーエンジニアの話になれば、平均年収で会社勤めよりも高収入という統計結果が出ています。もちろんその年収からフリーランスは税金を支払わなければならないなど、単純に比較することはできません。しかしそれでもフリーエンジニアのうち、プログラマでは月収が40万円から60万円、システムエンジニアで月収が60万円から80万円が相場といわれていますので、システムエンジニアであれば年収1000万円も夢ではない計算になるでしょう。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、システムエンジニアの平均年収は590万円(平成25年度)ということですから、会社勤めをしながらシステムエンジニアが年収1000万円を手に出来るチャンスは、ほんのわずかという計算になります。
さて完全なる成果主義に支配されるフリーランスの収入にも、高低の差があります。経験や実績の差や、スキルや知識の差、そして専門分野あるいは幅広い守備範囲を持つなどのそのフリーランスの特性にも応じて、収入はそれぞれに異なります。近年はIT業界の人材不足が続いており、解消する兆しが見えません。そのためフリーランスといえば、次の仕事が見つからないのではないか、という不安が常に付き纏うものですが、会社勤めと同じように社会人としプロのエンジニアとして、常識的な範囲の仕事が出来ていれば、過度に将来に不安を抱く必要はなさそうです。やはりクライアントとの信頼関係が大切であって、お互いに良い関係を長く続けて行くことが出来れば、双方にとって有益です。もちろんクライアントが極端に限定されている場合には、そのクライアントに何かあった時に共倒れになる危険があります。そのため人脈を広げて、近い将来のことだけではなく、更に先の将来を見据えた先行投資も必要でしょう。IT分野における技術革新はすさまじい勢いで進むため、一歩後れを取ればこれまでのスキルでは対処出来ないこともあります。そのため情報収集や、新しい技術の習得に貪欲に挑み続ける姿勢は、特にフリーランスにとって大切です。